大学卒業後、大学病院の歯科口腔外科及び開業医勤務を経て2018年5月より当院の副院長に就任いたしました。
ひと昔前の歯の治療といえば「虫歯ができたら削って詰める・また虫歯ができたら神経を抜いて被せる・また虫歯ができたら歯を抜いて入れ歯を入れる」といった消耗品のような治療や「根の先の膿や歯周病は治らないから抜歯」といった考え方が当たり前だったようです。
しかし「なぜ虫歯や根の先の膿、歯周病ができたのか?再発したのか?」という原因を考えなければ、徐々に歯を失っていく悪循環を止めることはできないと思います。
歯を失う2大原因である歯周病および虫歯は、どちらもバイオフィルムと呼ばれる歯に付着した細菌の集合体を病因としています。このバイオフィルムは24~48時間でお口の中に形成されるといわれているため、こまめに歯ブラシで除去してあげる必要があります。
つまり歯周病や虫歯の予防・治療において最も重要なことは『普段の歯磨き』なのです。歯科医院で完璧な治療や定期検診・クリーニングを受けていても、普段の歯磨きがおろそかになる・しっかり磨いたつもりでも磨けていないところがあると、歯周病や虫歯が進行・再発している可能性が高いのです。
「今まで歯科医院で歯の磨き方を教えてもらったことがない」とおっしゃる方が意外に多いと感じます。私の診療では小児や高齢者にかかわらず、まずは患者さま自身がしっかり歯磨きができるようになるために『口腔衛生指導』を重視しています。磨けていないところを明確にするためにバイオフィルム染色液を用いたり、ブラッシング方法などを一つずつ患者さまと一緒に確認します。そして歯磨きが上手になったら、そのクオリティを維持できるようにサポートをしていきます。
その上で科学的根拠に基づいた正確な治療を行うことで、初めて治療が成功するのです。『病気を再発させないところまでたどり着いたら治療が終了する』というのが私のモットーであり、それには私個人だけではなく歯科衛生士やともに診療に携わるスタッフの協力なくしては実現できません。
自然豊かなこの地で生まれ育った私が歯科医師としてやるべきことは『地域の人々のお口の健康を守り充実した人生を過ごせるようにお手伝いをさせてもらう』ことだと思います。地方の小さな歯科医院ではありますが、新しい治療法や設備を精選し積極的に取り入れて、少しでも地域の皆様のお役に立ちたいと願っております。
郊外でアクセスが不便な当院まで来院してくださる患者さまのために、誠心誠意尽力してまいりますのでよろしくお願いします。